2008年2月25日月曜日

断絶 



魂は
現実と
詩人の
烈しい相克

救いはひとつ
超越

しかし
周囲は
執行猶予を許さない

わが唯一の砦
それは
沈黙による
断絶の壁


この詩も20代前後に書いた詩。

この詩集の編集後記に

「ガリ版でエッサエッサと真っ黒になりながら、頑張っていると、何かしら文集に愛着がわいてきます。
上京してから、早、8ヶ月半ばを過ぎてしまいました。
僕の都会の歴史は、この文集ともにあるようです。
荒涼とした砂漠のような現実に、自分自身の足跡をつけていっているのではないでしょうか。
この貧弱で、安っぽい文集の空間に、僕自身の散歩道をみつけるのです。」

なんて、当時、きざな事をほざいている。

今の、若者に通じるかな、と思う。
今はお爺の青春時代である。

2008年2月23日土曜日

荒涼2 



あの人は風だった
あの人は炎だった
風はやみ
炎は消えた
荒涼とした砂漠に
透明で無音なるものが
ユラユラと立っていた
たしかに立っていた
何億万年も後に
それも消えた


この詩も、独身時代に、東京で書いたものだ。

ガリ版で同人の文集を発行したときのものである。
1972年から3年頃のもの。
その文集の後書きに自己紹介とあって、

「恋人は、いません。
好きな画家、モディリアニ。
子供の頃、ウオルトデズニーは夢を与えてくれました。
好きな花はコスモスと薊の花。
嫌いなもの豚肉とフライ。
現代の異端児のひとりだと思っている。
いまや、同じ世代の仲間たちに、ついてゆけなくなってしまった。
フランスへ行きたいな。
帰るところなし、行くあてなし。のんびりいきて生きて行くつもり。
詩を書いたり、絵も描くけど、その道で食っていく考えは無い。
汎神(はんしん)論者。
夢は持っているけど、まだ、その構想が、ぼんやりしている。
感動した映画「明日に向かって撃て」。
好きな歌手はアンバータン。
信条「愛は生命そのもである」
風は僕のメルヘン、詩的に感じる。
理想の女性、清楚で家庭的な娘。
現在、美術専門学校でイラストを学ぶ。
鷹美アトリエ村に通い裸婦デッサン(クロッキー)を学ぶ」

と書いてある。

あー恥ずかしい。よくもぬけぬけと書いたものだと思う。

2008年2月22日金曜日

荒涼 



ぼくは、なんとなしに
生きていた
ただ、頭が耐え切れぬほどに
重たかった
ある日
ぼくは、ころんでしまった
ぼくの頭は、ポカッと大きくわれ
ドロドロした膿みのかたまりが見えた
空は蒼ざめた灰色をしていた
ぼくの目は
気持ちよくあいていた
冷たい透きとおった風が
ヒューヒュー吹いていた
ぼくは、なんとなしに
死んでいた


これは、37、8年前に、東京で住んでいた頃に作った詩である。

小さなアパートで、ひとり、ガリ版で詩集を作っていた。
当時は、パソコンはもちろん、コピー機も無い時代だったので、手書きの詩集である。
当時は、髪は肩まで伸ばして、ボロボロのジーパンをはいて、高げたを履いて歩いていた。
地下のモダンジャズ喫茶でたむろしていた時代がなつかしい。
しかし、暗いなぁ。もぐらじゃあるまいし。

2008年2月21日木曜日

雨 



細々と
哀しい心根が
濡れています

もう、ずいぶん
雨が落ちてしまいました

私はこうして
いつまで
立っているつもりなのでしょうか

やさしい
雨の粒が
世界を静めています

みじめさと
哀しさが衝突して
おもわず
ぶるっと
ふるえました



この詩は、若い頃、失恋した時に作った詩である。

井の頭公園で作った。
いま、読み返すと、やっぱり恥かしい。
亡くなった従姉妹が、この詩をほめてくれた。
もう、35年も、前の話である。